そばの栄養素
コンビニ食全盛の世の中にあって、蕎麦は生活習慣病を予防する自然の健康食として今、世界中で(ちょっと大袈裟か)最も注目される食材の一つに上げられます。それは、蕎麦の持つ栄養素がバランス・質、共に究めて優秀な食べ物だからです。その秘密は、精製しないで全粒(むぎ実)として利用していることです。
まず、代表的な物とすればタンパク質が上げられます。タンパク質は生命の維持や成長に欠かせない物です。
蕎麦の持つタンパク質は、精白米の9.2%に対して12.1%と3割以上も多く、質的にも良質で穀物最高といわれています。それはタンパク質を構成しているアミノ酸価で調べますが、完全食品といわれる鶏卵を100とすると蕎麦は92とほぼ牛乳に匹敵し、精白米の65に比べて大変高い物です。
しかも体内では作ることの出来ないアミノ酸、特に必須アミノ酸が多く含まれているのが特徴です。身体の発育に大切なリジン、スタミナ源として注目されているアルギニンなどの必須アミノ酸が多く含まれていて、成長期の子供にも適した食べ物です。
さらに、便秘症の解消に役立つヘミセルロース(食物繊維)は、白米の2.5倍と言われ、体力の低下、食欲不振、イライラを予防するビタミンB1は白米の4倍から5倍も含まれています。他には、口内炎や皮膚、粘膜を健康にするビタミンB2、老化防止に役立つビタミンE、ガン・肝硬変・脂肪肝を予防するコリン、そして今話題のポリフェノールなども蕎麦には含まれています。
ポリフェノールとは、血管を丈夫にしたり、様々な病気を引き起こす活性酸素を除去する働きがあります。特に、蕎麦に含まれるそばポリフェノールは脳の記憶細胞が死滅するのを防ぎ、ボケ(老人性痴呆症)防止に役立つと去れています。
その、ポリフェノール類の中で最も注目を集めているのがルチンと言われる物質で、穀物類では蕎麦だけが持つ究めて特殊な物質です。
ルチンとはビタミンPの一種で、毛細血管を強化し血圧を降下する働きがあり、心臓病や脳血管障害、動脈硬化や高血圧の予防になると言われています。また、膵臓機能を活性化する為、糖尿病の予防と制御にも役立つと言われています。
飲酒によって、肝臓に脂肪がたまるのを防ぐ働きもあります。お蕎麦屋さんで一杯というのも理にかなっているのですね。
これらの事から分かる様に、蕎麦は、生活習慣病を予防する健康食としてとても素晴らしい食品なのです。